骨董品の価値って?賢く売却するために知っておくべきこと
骨董品に秘められた価値を見抜くのは素人には不可能です。しかし、おおよその価値を判断すること自体はそう難しいことではありません。満足できる売却のためにご自身でも鑑識眼を磨いておくことをおすすめします。
骨董品の価値とは?
「骨董品は希少品である」という知識はもはや常識ではありますが、そもそも骨董品の価値はどうやって測るのでしょうか?
欲しい人がいるかどうか
現代では人間国宝の作った陶芸品から当時はありふれた品であったであろう民芸品まで幅広い品種が骨董品として取引されていますが、価値ある骨董品と無価値な古物を分ける境界はその品自体に価値を見出す人がいるか否かです。その価値を見出す人がいてこそ、骨董品は価値ある品といえるのです。
作家物かどうか
現代のブランド品と同じように、著名な作家が生み出した作品は特別な価値を持ちます。それは骨董品でも例外ではありません。
希少性
製造から100年以上が経過した手工芸品・工芸品・美術品は骨董品として扱われます。それだけの長い年月を超えて残っている名工の作品には当然ながら希少価値があります。加えて、有名な作家が手掛けた一品物の作品なども高値が付くことが多いです。
先述した「作家物」「素材」も含め、希少性は骨董品の価値を測る一つの基準であるといえます。
骨董品の査定額はどうやって決まる?
先述した通り、骨董品の価値は主に希少性によって決まります。そのため、珍しければ珍しいほど高値が付くと考えていただいて問題ありません。そこに素材の希少性や状態の良さ、市場での需要などを加味したうえで査定額が決定します。
骨董品の価値を見抜くことが鑑定士の仕事ですが、骨董品自体の価値を表す査定額は鑑定士の腕前によって大きく上下します。そのため、鑑定品を高く売りたいなら鑑定士は慎重に選ぶ必要があるといえます。
骨董品を高く売却するためのポイント
自慢の骨董品を売るのだから、できる限り高値で買い取ってもらいたいと思うのは当然です。では、そのためには何が必要なのでしょうか。
実績のある鑑定士に依頼する
高値で買い取ってもらうためにも腕利きの鑑定士に依頼して正確な鑑定をしてもらいたいものですが、鑑定士という括りの中でも「鑑識眼」「経験の豊富さ」などの腕前はそれぞれ異なるもの。正確な鑑定を受けるためにも、実績が豊富な鑑定士に依頼するのがおすすめです。
また、陶芸品・絵画など鑑定希望品のジャンルに精通している鑑定士を選ぶこともポイントです。
相見積もり
骨董品の鑑定を行い、その価値を見極めるのが鑑定士の仕事です。しかし、裏を返せば鑑定士の目が曇っていたせいでせっかくの価値ある骨董品がただの古物と切り捨てられる可能性もあるということ。1軒だけで満足せずに相見積もりを行うことでより正確な鑑定が受けられる可能性があるため、鑑定価格に納得がいかない場合は相見積もりを取ることをおすすめします。
鑑定書を用意しておく
骨董品のジャンルによっては精巧な贋作が出回っていることもあります。そのため、鑑定書や保証書のような品物の真贋を保証するものが付属していると買取価格も上がりやすい傾向があります。
手数料の安いところを選ぶ
骨董品の鑑定と買取を業者に依頼する際は、運搬費や交通費などの手数料がどのくらいかかるかも確認しておきましょう。品物や依頼状況によっては買取料金よりも手数料のほうが高く付くこともあるからです。品物に合わせて鑑定方法を変えたり、複数の業者を比較したりすることで手数料を安く済ませられるようにしましょう。
売却の際の注意点
繰り返しになりますが、骨董品は非常に希少な品です。安価で手放してしまったりうっかり破損させたりしては取り返しがつきません。そのため、売却の際には以下の点に注意する必要があります。
素人判断で手入れをしない
中古品を売りに出すときと同じ感覚で、品物に付いた汚れを落とそうと考える方も多いようですが、素人判断での手入れは絶対に避けましょう。せっかくの骨董品に修復不可能な傷を付けてしまう恐れがあるからです。それに、骨董品に限っては使用感や製造当時から変わらない造形に美を見出す方も多いため、そのままの状態で出すのが無難といえるでしょう。
破損
陶器類や彫刻類などは扱いによっては破損の恐れもあります。そのため、業者への持ち込みではなく家まで鑑定に来てくれる出張鑑定を利用するなどして極力持ち運びをしないようにすることや、宅配する場合は厳重に梱包したうえで、念のために配送保険を付けておくといったように破損には十二分に注意することが大切です。
鑑定無しに売却しない
骨董品の量が多い場合であっても一品ずつ鑑定してもらうことが大切です。間違っても鑑定無し、一山いくらで買取されるようなリサイクルショップに持ち込むのは避けましょう。価値を過信しすぎるのも考えものではありますが、骨董品は数万~数百万円で取引されることも珍しくないジャンル。鑑定にはこだわるべきです。
上記の点に注意しつつ売却先を決めることをおすすめします。
骨董品の賢い売却方法
骨董品を売却する方法には大まかに「業者への依頼」「オークション」「リサイクルショップ」の3種類あります。それぞれメリット・デメリットがありますが、選ぶ際にはきちんと鑑定してくれるところを選ぶこと、鑑定を希望する品物の特徴に合わせて選ぶことが大切です。
業者
いわゆる骨董品買取業者です。専門の鑑定士が在籍していることが多く、幅広い品種の買取に対応してくれます。加えて、出張鑑定・買取サービスを提供しているところであれば品物の種類・量を問わず気軽に鑑定を依頼できます。
どのような骨董品であっても対応してもらえますが、出張鑑定がある業者を選べば破損しやすい陶器類や陶芸品、運び出すのが大変な大型彫刻や壁掛け絵画なども鑑定してもらいやすいのがメリットです。
オークション
骨董品をオークションで売ることはそう珍しいことではありません。皆さまもよく知るネットオークションだけではなく、骨董市で開催される競売もオークションにあたります。前者の場合は家にいながら売却が行えること、後者ならマニア目線での売買が行われるためマイナーな作家の作品や珍品の取引も成立しやすいというメリットがあります。
また、こうしたオークションには購入意欲のある方が集まるため、きちんとした品物を出品すれば高値で買取されやすいです。
「本来であればもっと高値で売れた品を安価で売却してしまう」「出品したからといって必ず売れるわけではない」などのデメリットはあれど、業者とは違い手数料が一切かからないので鑑定書があって品物が本物であると証明できている場合や高値で売却したい場合には積極的に利用したい売却方法といえます。
リサイクルショップ
品種を問わず買取してくれるため便利な売却方法ではありますが、正確な査定のもとで買取をしてもらいたいならあまりおすすめはできません。これはスタッフの査定方法に問題があるという意味ではなく、専門知識のもとで鑑定が行われないことが問題なのです。高額で買取されないばかりか、本来は高額で取引されるはずだった品をただ手放すことになってしまいます。
しかし、査定に手数料がかからず、値段が付かない場合は無料で引き取ってもらえる特徴を活かし、鑑定の結果二束三文であると判明した骨董品が大量にある場合などに利用することをおすすめします。
まとめ
骨董品に秘められた価値を測ることは素人では不可能です。鑑定士に依頼して実際に鑑定してみないことにはその品物は宝の持ち腐れといえるでしょう。実績豊富な鑑定士に依頼したうえで、品物に合わせて適切な方法で売却を行うようにしましょう。