骨董品を買取してもらう際に失敗しない方法とは?
遺品整理で出てきた骨董品や家族が大切にしていた美術品を売却したいという場合、どこの業者に鑑定を依頼すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
売却する際に最も大切なのは、品物の価値を正確に見極めて鑑定・査定してくれるかどうか、この一点に尽きます。つまり、業者選びで明暗がはっきり分かれるということです。
そこで今回は、骨董品を売却する際に失敗しないように、業者選びのポイントや心掛けておきたい注意点について紹介いたします。
売った後に後悔しないかよく考える
思い出の詰まった骨董品や美術品を売却したものの、後で後悔したということはよく起こります。売る前に「売ってしまって本当に後悔しないか」と今一度よく考えることはとても大切です。整理をしたついでに一緒に処分してしまうような場当たり的な手放し方は最も避けるべきで、処分する品は売っても後悔しないと常に心構えをしておくことが肝心です。
また、骨董品の売却は鑑定後に査定額や説明を聞いてから判断しても構わないので、しっかり納得したうえで買取を依頼するようにしましょう。
骨董品買取業者の種類
買取業者といっても形態はそれぞれで異なります。
売却する前にどのような業者があるのかを知っておきましょう。
①店舗型(大手買取店、大手リサイクルショップなど)
いわゆる都心部などでよく見かける全国展開の多店舗型買取業者です。知名度があるため安心感がありますが、人件費や広告費、家賃など維持費やコストがかかるため、買取価格は低く見積もられています。
また、スタッフの大半が業界未経験者で短期間の研修を経てすぐに鑑定士として店舗で査定をしているケースも多いため、正確な鑑定を過度に期待しないほうがいいかもしれません。
ほとんどの業者が出張買取に対応してくれます。
②店舗型(小規模個人経営店)
小規模の骨董品買取店は茶道具や刀剣などそれぞれで得意分野があり、精通しているジャンルの品物は高価買取してくれる可能性が非常に高いという特徴があります。店主(鑑定士)が接客から査定まで終始対応していることが多く、安心して任せられます。
多くの店舗が出張買取にも対応してくれます。
③出張買取専門店
出張買取専門店は店舗を有している場合と、店舗は持たず事務所のみで運営をしているところがあります。
売却したい骨董品の量が多く、店舗への搬入が困難な品物でも電話一本で自宅に来てもらえるので、梱包の手間や搬送による破損などのリスクを回避することができます。また、売却予定のない品物や無価値と思い込んでいるような物でもついでに鑑定してもらえるので、出張鑑定では意外なお宝が見つかるケースがよくあります。
無料で出張鑑定を行っている業者が多いため、買取が成立しなかった場合でも費用がかからず、利用者にとっては非常に魅力的です。
④宅配買取専門店
出張買取専門店と同様に、店舗を有している場合と、事務所のみで運営している形態スタイルが多いです。店舗の家賃や維持費などのコストを抑えることができるので高価買取につながりやすいという特徴があります。自分の好きな時に発送すればいいだけですが、破損しやすい骨董品はしっかりと保護して梱包しなければならないため、少なからず手間は免れません。しかし、店舗が遠くて持ち込めないという方にとっては非常に便利な売却方法といえます。
失敗しない買取業者の選び方4つのポイント
数ある買取業者の中から確かな業者を選ぶために気をつけるべきポイントを4つ紹介します。
①専門的な鑑定知識、査定力があるか
言わずもがな、骨董品の鑑定・査定には豊富な知識と経験が必要です。プロの鑑定士でも贋作をつかまされる程、真贋の見極めが難しい作業です。
骨董品の価値は基本的に時価のため、鑑識眼の乏しい鑑定士に依頼してしまうと非常に低い価格で買取されてしまう恐れがあります。裏を返せば、品物本来の価値に関わらず安く買い叩くことが容易にできてしまう、そういう側面を鑑定士は持ち合わせています。
骨董品は品物の良し悪しだけで価値を判断するのではなく、歴史的な価値など背景にあるストーリーにも深く精通していなければなりません。そのため、豊富な知識を有する業者とそうでない業者では、買取価格に数倍から数十倍もの差が生じているのです。
②販売経路が確立されているか
買取業者は買取をした後に独自の販売経路で取引をして利益を得ています。つまり、品物を高額で買い取ってくれる業者は高値で再販できる販売網を広く構築している証でもあるのです。
骨董品の類いは国内にとどまらず海外市場の人気も高く、時期やタイミングによって市場価格が変動しています。海外にも販路を確立している買取業者では市場動向を把握して売り時を見極めているため、需要がある骨董品は高額で買取しやすくなります。
販売経路を広く構築してるということはそれだけ買い取ってくれる顧客を抱えているという意味ですから、信頼と実績を兼ね備えている安心できる業者といえます。
③豊富な買取実績があるか
買取実績が豊富にあるということは経験と信頼があることにほかなりません。つまり、目利きの力があるという意味にも取れます。
一方で創業が長い業者であっても経験の浅い鑑定士が査定を行っていることもありますので、老舗ということだけを理由に挙げて鑑定を依頼するのは早計だといえます。
どのような品物をいくらで買い取っているのか、ホームページで過去の買取実績を確認できるか否かは非常に重要で、失敗しない業者選びには欠かせない要素となります。
④即日現金買取に対応しているか
意外に見落としがちですが、即日現金買取ができるということは資金力があるという証なのでとても重要なポイントです。特に骨董品の場合は品物によっては数百万円規模になることもあります。つまり、資金力がない買取業者は適正価格で買取ができないため査定額を低く見積もる傾向にあるということです。また、後日振り込むと言って連絡が途絶えてしまう悪徳業者も少なからず存在するため、トラブルに巻き込まれないためにも即日現金買取の対応可否はしっかりと押さえておきましょう。
売却する際に注意すべきこと
前章では依頼する買取業者の選定ポイントについて説明しましたが、この章では売却する側(あなた)が注意しなければならない点を解説します。
①複数の買取業者に査定を依頼する
骨董品の鑑定・査定は必ず複数の業者に依頼するようにしましょう。
なぜなら、先にも述べた通り、鑑定知識と査定力は業者によって差が大きく出るからです。
ホームページで実績を比較することや、無料の出張鑑定をしてくれる業者に依頼して買取金額を比べてみることは骨董品売却において非常に重要な工程であるということを忘れてはいけません。
②目的に合わせて業者を選ぶ
売却したい品や置かれた状況次第で業者の選び方は変わるということを覚えておいてください。
例えば、壺や刀剣など売るものがはっきりと決まっている場合は、その品物を主に専門的に買い取っている業者に依頼しましょう。また、引越しや遺品整理で複数の種類の品物を一度に売りたいときには幅広い買取ジャンルに対応している業者を選定するのがおすすめです。
買取品目が豊富な業者に依頼すると個々の品物に対する知識が浅いのではないかと危惧する方もいらっしゃるかもしれませんが、品種別に精通した鑑定士が在籍していることも多々あります。ホームページなどで確認しておくといいでしょう。
骨董品を高く売るコツ
骨董品を売却するなら少しでも高く売りたいと考えるのは当然です。
高価買取されやすくなるコツについて紹介しますので、買取を依頼する際の参考にしてください。
①売り時を見極める
洋服やメイクと同様に骨董品にも流行があります。その時期を見逃してしまうと価格差が大きく生じるため、売るかどうか迷っている品物は買取業者に相談だけでもしてみることをおすすめします。
現在はLINE査定や写真鑑定で簡単に依頼できるサービスを無料で行っている業者が多いので、利用ハードルがとても低く便利です。
②取引相場を把握する
一見難しいように思われがちですが、作者が判明している品物はヤフーオークションやaucfan(オークファン)などのインターネットサイトである一定の相場を調べることができます。
大手の買取店では高額で取引される流行品であっても買取額は取引相場の3割程度とあらかじめ社内規定で決まっていることが多く、小規模な個人経営店では相場の5割程度がおおよその基準と考えられます(業者や店舗によって異なりますので、参考程度に留めておいてください)。
つまり、買取価格が取引相場の2割を下回るような場合は不当に安く買い叩かれているか、鑑定士の市場相場に関する知識が不足している可能性があります。しかし、骨董品の買取価格は品物の状態以外にも作者や歴史的な希少価値、流行などによって代わるため、上記の取引相場に必ずしも合致するわけではありません。
あくまでも一つの目安として売却する前に自分で買取価格の相場を調べて少しでも知識を身に付けておけば、見積り時の交渉を有利に進めることができるかもしれません。
③鑑定書、付属品を揃えておく
売却をする際は品物本体だけではなく付属品の有無によって査定額に大きな差が生じます。茶道具や陶磁器とともに共箱(桐箱)や鑑定書などの付属品がある場合は必ず一緒に鑑定・査定に出しましょう。手書きの手紙や覚え書きなども付加価値を生むことがありますので、間違ってもゴミとして処分しないよう注意してください。
④無理な手入れや修理をしない
骨董品や美術品は繊細で傷みやすいため、汚れや傷があるからといって無理に擦ると余計に傷が広がったり破損したりする恐れがあります。また、破損している場合も修理せずそのままの状態で買取業者に査定してもらいましょう。
品物を良い状態で保存するためにも温度や湿度が安定している環境で保管することを忘れず、定期的に換気するようにしてください。
まとめ
骨董品の買取で失敗しないためには骨董品買取業者の選び方が重要だということを説明しました。
買取業者を選ぶ際は以下の4つのポイントを押さえて探すように心掛けましょう。
・査定力
・販売経路
・豊富な買取実績
・即日現金買取
全てを業者任せにするのではなく、売却前には自分で品物の相場価格を調べたり、骨董品を良い状態で維持するために保管に気を配ったりして少しでも高く買い取ってもらえるよう準備をしておくことも大切です。
そのうえで、実績・経験ともに豊富で信頼のおける買取業者に依頼しましょう。