高値で買取される骨董品とは?高く売るために知っておくべきこと
希少な骨董品を売却するからには、少しでも高く売りたいと思うのは当然です。
このページでは骨董品を高く売るために知っておきたいことをご紹介します。
そもそも骨董品の価値とは?
関税法では「製造から100年以上が経過した工芸品・美術品・貴金属」を指して骨董品(アンティーク)と定義されます。当然ながら新たに製造されることはありませんし、現在では流通が規制されている象牙など希少な素材が使われていることもあり、希少価値からコレクション需要があります。
しかし、骨董品の条件に当てはまっても大した価値がない品も多くあります。これは先述した”コレクション需要”というのが重要で、希少品でありなおかつ欲しがる人がいる物だけが価値ある骨董品と呼ばれ、高値で取引されるわけです。
高値で買取される品の特徴は?
1章で紹介した価値ある骨董品とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
古い品かどうか
現在の技術をもってしても作家の特徴や当時の製造技術を完全に再現するのは不可能です。そのため、時代を超えてその機能を保っている品物には当然ながら希少価値があります。
作家物かどうか
本や映画など人の手が関わる作品には思想や信念のような特徴が宿るもの。それが創作者としての持ち味であり、その持ち味に愛好家が集まります。もちろん骨董品も例外ではありません。作品に魅せられたその作家専門のコレクターもいます。
このように作家物は欲しがる人が多いため需要も高く、それが人間国宝や著名な作家であれば文化的な価値も上乗せされるため高値で取引されます。
使用されている素材
象牙など現在では流通が規制されている品や希少な素材が一部だけでも使用されていれば高価買取される可能性が高いです。
作品が高値で買取される作家
ジャンルに合わせて高値で買取されやすい作家をご紹介します。
陶芸
・北大路魯山人
・金重陶陽
絵画
・川合玉堂
・谷文晁
・尾形光琳
彫刻
森川杜園
上記した作家はほんの一部です。作品やジャンルを知らなくても名前だけは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。本人が人間国宝であったり、重要文化財の作者であったりと作家の名前自体が有名である=価値が世界的に認められており、メディアなどで紹介されることも多い、ということから、有名作家の作品=高値で買取されやすいと考えていいでしょう。
もちろん、品物の価値を決めるのは持ち主ではありません。上記はあくまで目安として捉え、専門鑑定をしてみなければその価値は分からない(認められない)といってもいいでしょう。
骨董品を高値で買取してもらうためには?
いくつもの年月を過ごしてきた骨董品は非常にデリケートです。少しでも大雑把な扱いをすると簡単に破損してしまい、その価値は大幅に下がってしまいます。また、いい加減な買取業者に依頼してしまうとせっかくの貴重な品が二束三文の値段で買い叩かれてしまう可能性もあります。
骨董品を高値で買い取ってもらうためには何が必要なのでしょうか。
保存状態
基本的には骨董品は状態が良ければ高値で買取されます。定期的に手入れをしたり、劣化が進まないように丁寧に保管されている状態が望ましいです。
付属品が揃っている
骨董品は箱も含めて一つの作品です。骨董品における箱は単なる入れ物ではなく、銘や作者を記す「箱書き」が書かれていたり贋作ではないことを証明する保証書代わりになったりするため、査定額が下がらないように個人の判断で捨てたり一緒に出品したりしないように注意が必要です。
買取専門業者に依頼する
骨董品を売却する際には正確な鑑定を受けるためにも、鑑定士が在籍している専門業者に依頼するのは必須です。
出張買取をしてくれるところ
骨董品の搬出時に折り悪く雨に降られたり、最悪の場合は落として破損させたりしては大損です。家に直接鑑定に来てもらえればそのような心配はいりませんし、買取が成立しなかった場合でも持ち帰りの心配もいりません。
即日現金化できるところを選ぶ
骨董品は日々価値が変動するもの。提示された査定額が本当に売り時なのかはご自身で判断する必要がありますが、いつまでも売るか売らないかを迷っているのは正直なところ不毛なもの。査定価格に満足したらスパっと決断して売ってしまうのが一番。そのために即現金化してくれる業者を選ぶのがおすすめです。
即現金化できるメリットはそれだけではなく、品物を渡したのにいつまで経っても振込されないといったトラブルを防ぐこともできます。
即決しない
鑑定書があるなどその品が本物であり、価値がある品であると分かっている場合は複数の買取業者に査定を依頼して相見積もりを取るのもおすすめです。また、買取業者だけではなくネットオークションや骨董品市での競売のように売る場所を変えてみるなど、ご自身が満足できる価格で売るために、即決せずに比較することも大切です。
鑑定をきちんと受けること
骨董品をよく知らない方から見れば、人間国宝作の陶芸品と長い年月の中で風化した価値のない陶器の違いは分からないと聞きます。これと同じことを信頼して任せたはずの鑑定士にやられてしまってはせっかくの逸品が無残にも処分されてしまうことも考えられます。
高値で買い取ってもらうためだけではなく、先人が残した貴重な作品を無下にしないためにも鑑定はきちんとしたところで受ける必要があります。
信頼できる鑑定士の条件は?
日常生活を送るうえで、鑑定士とはなかなか接点を作りづらいため「信頼できる」と言われても困ってしまうかもしれませんね。しかし安心してください。以下の3点を意識するだけで良い鑑定士と出会えるようになります。
実績
鑑定に万能のマニュアルはありません。鑑定士というのは積み重ねてきた経験と、それによって得てきた信頼が実績として現れる仕事なのです。裏を返せば収集家から信頼を受けず、鑑定に関わってきた作品数が少ない鑑定士はとっくに廃業、もしくはネットで検索しても見つかりにくいほどに細々と活動していると考えてもいいでしょう。
鑑定士を選ぶ際にはその方がどれくらいの期間活動しているか、どのような品の鑑定に携わってきたのかを重視するのがおすすめです。
得意ジャンル
先述した実績とも共通しますが、陶芸品の鑑定を得意としている鑑定士のもとに絵画を持ち込んでも仕方ありません。鑑定品に合わせ、その品の鑑定を多く手掛けている鑑定士を選ぶようにしましょう。
所属
骨董品買取業者は「買取専門業者」と「買取・販売専門店」の2種類に分類できます。前者の場合は買い取った骨董品を業者・市場へと卸す必要があるため手数料が引かれる可能性がありますが、後者の場合は買い取った品物を仲介業者無しで販売できる特徴があります。少しでも高値で売却したい場合は、依頼する鑑定士の所属も調べておくのがおすすめです。
お店ごとに事情は異なるため、上記の通りになるとは限りませんが知識として覚えておいて損はありません。
まとめ
社会における需要と供給の関係のように、骨董品の価値も需要によって決まっています。具体的には著名な作家が手掛けた作品でコレクション需要がある品や、希少価値があり文化的に価値がある品であれば高値で買取される可能性も高くなるといえます。
それに加えて、ご自身が売りたい品の種類に合わせて鑑定士を選定し、売り方を工夫することを忘れなければ、理想通り高値で買い取ってもらうことができるはずです。