掛軸買取のチェックポイントは?高く売る3つの特徴を紹介!
掛軸を買取してもらいたいけれど、高いのか安いのか検討もつかない。昔から家にあるけどどうやったら買取してもらえるの?そんな疑問はありませんか。
掛軸は身近な絵画でもありますが、知らないことも多いですよね。
実家の床の間に飾っていた掛軸や、倉庫に眠っていた掛軸が実は価値の高い名品で、驚くほどの高値で売れたという話は以外にも多いのです。
今回はそのような価値に関する疑問や、掛軸の歴史、買取の際の注意点などをご紹介します!本コラムを読んでいただければ掛軸のことが理解できるだけではなく、ご自宅の掛軸をより高値で買取してもらえることでしょう。
掛軸を高く売る3つのポイント
掛軸を買取してもらうときに「もう傷んでいるし・・・」「全然飾っていなかったから」という理由で安く買い取られるだろうと判断するのは早計です。掛軸の価格には判断するポイントが3つあります。ご自身で価値がないと判断せずしっかりポイントを確認して、高値で買い取ってもらうようにしましょう。
①有名作家や巨匠の作品
有名作家や巨匠と呼ばれる作者の作品は、もちろん高値で買取してもらえます。日本の掛軸の巨匠と言えば、横山大観や、上村松園などが有名で、一度は名前を耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。もしご自宅にある掛軸が、名前を聞いたことのないもしくは誰が書いたかすら分からない作者のものでも、決して不用品として処分してはいけません。まずはどんな掛軸でも鑑定士に査定してもらって、有名か無名かの判断をしてもらうようにしましょう。名前を知らないだけで、実は有名な作者だったということはよくあります。
②共箱があるかどうか
共箱とは掛軸を納めている箱のことで、基本的には箱の表側に作品名、裏側に作者名が書かれています。作者によっては別の場所に書くこともありますので注意が必要です。共箱は、掛軸を入れる箱、梱包材の役割だけではなくこの掛軸が確かに作者によって作成されたという証拠にもなるものです。共箱があるかないかで価値が2倍~10倍にも変わってくる場合があるので、非常に重要なものといえます。
③二重箱があるかどうか
二重箱とは共箱を納める箱のことで、一般的には漆器のような塗が施されています。共箱が傷付かないように保護したり湿気や乾燥から貴重な掛軸を守る役割を持っており、高価な作品ほど二重箱である確立が高いです。掛軸と箱を保護する日本独自の慣習といえます。
掛軸買取の方法
掛軸を買取してもらうには3つの方法があります。ご自身の生活スタイルや状況にあった方法を選択しましょう。
①出張買取
たくさんの掛軸をまとめて査定してほしい場合は、出張買取を行ってくれる業者を利用するのがおすすめです。無料で訪問査定してくれる業者も多く、そのような業者ですと仮に買取が成立しなかった場合でも費用はかかりませんので安心です。事前にホームページなどで出張費用や買取不成立時のキャンセル料が発生しないかどうか、確認をしておきましょう。なかには悪質な業者もいますので、ホームページの情報だけではなく電話で確認をして対応を確かめておくと更に安心ですね。電話対応が高圧的だったり、何か不安を感じたら依頼するのはやめておきましょう。女性に配慮し、女性スタッフが訪問してくれる業者もあります。
掛軸は材質が紙のため非常に傷みやすくデリケートなものです。出張買取で引き取ってもらえると、店頭まで運ぶ間に傷付けてしまうことはありません。また査定には非常に時間を要する場合があります。複数の掛軸を同時に査定してもらう場合はなおさら時間がかかります。その点、自宅まで来てもらえる出張買取でしたら自宅でゆっくりと査定結果を待つことができます。
②店頭買取
店頭買取とは、街中で見かける買取店舗に自分で掛軸を持ち込んで査定してもらう方法です。業態は大型店から個人経営の小型店舗までそれぞれに特徴があります。
テレビCMや広告などで見かける全国展開の大型店舗は、知名度もありホームページで口コミや買取実績なども確認することができるので、相談しやすいメリットがあります。しかし大手の業者には、短期間の研修のみで鑑定を行っている経験の浅い鑑定士も在籍していることがあります。鑑定士の知識の差によって買取価格は変わってきますので、可能なら1社だけではなく数社に査定してもらって比較することがおすすめです。
③ネットオークション
掛軸もネットオークションに出品することができます。しかし掛軸に関する知識がなければ高値で売ることは難しいでしょう。まず出品の際に詳細の説明や、本物であることの証明が必要になります。また、何も知識がないまま出品し、安値で落札されてしまった掛軸が、実は貴重なものだったというようなこともあるかもしれません。
掛軸の歴史
掛軸の歴史は非常に古く、晋の時代の中国で誕生し、飛鳥時代にはすでに日本へ伝わったとされています。当時は仏教徒が使用する礼拝の道具として掛軸が使われていました。日本に定着し始めたのは鎌倉時代で、仏教の一派である禅宗とともに水墨画が伝わってからでした。その当時は禅の思想を表す「達磨図」や「瓢鮎図」などの絵画でしたが、徐々に変化し「山水画」なども書かれるようになってきました。
床の間に掛軸が飾られるようになったのは室町時代以降で、茶の湯の席で飾られる水墨画が多く見られるようになりました。
江戸時代には華やかな掛軸が出回り、現在もその美しさに惚れ込むコレクターが多くいます。
掛軸の種類
掛軸の種類は大きく分けて3種類です。それぞれ見ていきましょう。
①掛軸の種類:書
書の掛軸とは、字のみで書かれた掛軸で単語のみのものや、漢詩や和歌、俳句が書かれているものなど様々です。書とはいえ、作者は書家だけではなく武将や僧、詩人なども多くいます。
②掛軸の種類:絵
絵の掛軸とは水墨画や日本絵画、明治以降の日本画などを指します。日本画は中国から伝わった掛軸が日本独自の美人画や花鳥画などに進化を遂げたものです。
③掛軸の種類:書と絵の組み合わせ
書と絵の組み合わせの掛軸は、掛軸の上部に書、下部に絵が書かれたもので、絵と書でひとつのテーマを表しています。
掛軸買取の注意点
掛軸買取の際にいくつか注意しなければならないことがあります。大事な掛軸を後悔せずに買い取ってもらうために事前に注意点を確認しておきましょう。
①贋作が多い
掛軸は贋作や、本物そっくりに作られた印刷物も多く出回っており、鑑定士でも見分けることが難しいほどに巧妙に作られているものもあります。本物と証明するために、共箱があれば高値で買い取ってもらえる可能性は十分あります。共箱もなく、どこで誰が購入したのか不明なものを本物として証明するのは非常に難しくなってきます。
②悪質業者も存在する
掛軸買取業者の中には悪質な業者も少なからず存在しています。家に押しかけられて、売りたくないものまで強引に買い取られてしまったなどの相談が国民生活センターに届いた実例もあります。特に高齢者の一人暮らしを狙い、高圧的な態度で契約書に捺印させるような悪徳業者です。
自宅に出張買取に伺いますという内容の電話がかかってきても、安易に受け入れることは危険です。ご自身でホームページで情報を確認してから訪問してもらうようにしましょう。
まとめ
「状態が良くないから」「長い間倉庫に眠っていたから」などの理由で掛軸の価値は決まりません。
掛軸買取で少しでも高く買い取ってもらうポイントは3つです。
・有名作家や巨匠の作品
・共箱があるかどうか
・二重箱があるかどうか
まずはこの3つを確認してから、買取業者に依頼をしましょう。どんな状態の掛軸でも一度鑑定士に査定してもらうことをおすすめします。
なかには悪質な買取業者も存在しますので、注意が必要です。