西洋美術の高価買取を実現するための3つのポイントをご紹介!
西洋美術は中国美術と並び、高価買取される可能性が高い骨董品の一種です。西洋美術の歴史は長く、品質状態はもちろん、制作年代や作家により価値が決められるため、買取価格の幅がかなり広いです。しかし「父親の形見で貰ったが、傷やホコリが溜まっている。こんな美術品でも高く売れるのだろうか」「どうせなら高く売りたいが、何から準備すれば良いか分からない」そのようなお悩みをお持ちの方も多いことでしょう。そもそも買取自体普段なかなかされないことでしょうから、疑問や不安は沢山出てきますよね。
そこで今回は、西洋美術の高価買取を実現するための3つのポイントをご紹介します。高価買取を実現するためにはいくつか条件があります。それを売却のコツとして血肉にしていきましょう。
高価買取の対象となる西洋美術
西洋美術は古い時代のものから現代のものまで多様で、絵画やオルゴール、洋食器など様々なジャンルにも分類されます。高価買取の対象となる西洋美術には以下のようなものがあります。
絵画
絵画は西洋美術の代表格で、中世~現代までに数多の作品が生まれてきました。
外国人画家の西洋絵画の場合、19世紀後半~20世紀・現代の作家が日本の美術市場では多くみられます。マルク・シャガールやイカール、カトランなどが有名で、彼らの作品は高価買取が期待されます。中には2,000万円前後で買取される絵画もあり、夢が広がるアンティークでもあります。
彫刻
彫刻は西洋美術の中でも特に歴史が古く、14世紀のルネサンス期に現代美術史に残る有名な作家が多数輩出されました。
また、今でこそミケランジェロやダヴィンチが有名ですが、彫刻史全体をみればモロー兄弟やヤコポ・デッラ・クエルチャなどの作品は希少価値が高く、20万円前後とかなり高値で取引されています。
ビスクドール
これは19世紀にヨーロッパのブルジョア階級で流行した人形で、フランス・ドイツを中心に大量生産され、当時の人々の暮らしに関わり続けていました。ジュモーやゴーチェといった会社や工房で製造されたものが有名で、一般的に3万~10万円で取引されますが、希少価値のある状態の良い人形は20万~30万円で買取されることもあります。
高価買取のポイント①作家やその作風
高価買取に大切な要素のひとつが「作家やその作風」です。
すぐれた作品だとしても作者が不明なままであったり、西洋美術たる作風を成していない場合は高価買取の対象となりにくいです。
したがって、「どの画家の作品か」「市場での人気はどの程度か」によって買取価格は大きく左右するため、作家や作風が評価されている作品を買取されることをおすすめします。また同じ画家でも制作時期により作風が異なることもあり、買取価格が細かく変わる可能性もあります。
高価買取のポイント②作品の大きさ・状態
西洋美術の買取価格は、作品の大きさによって変動します。基本的にサイズが大きいほど買取価格が大きくなります。ただし作品の人気度により価格が変動するため、大きさのみで判断されるのは少し無理があります。
そこで見るべきなのが作品の「状態」です。額縁に汚れが溜まっていないか、画用紙にしわができていないか、シミやホコリが被っていないかなど、見るべきポイントは数多くあります。
特に油絵のひびや経年劣化による修復不可能な損傷が生じている場合、評価が大幅に下がる可能性があります。また直射日光や高温多湿、ちょっとした寒暖差なども、遅かれ早かれ影響してしまいます。カビや色褪せなども同様です。
そのため、絵画はなるべく風通しがよく、直射日光の当たらない湿気が少ない場所に保管しましょう。また、日頃から少しだけでも絵画のお手入れをしておくことも大切です。額縁のホコリなどをティッシュで拭き取るなど、小さなことから始めていきましょう。
なおクリスタルを含んだ作品の場合、ぬるま湯に中性洗剤を溶かして優しく洗い、マイクロファイバー製のクロスなどで水分を拭き取ってください。
また、これらの方法は劣化が進んでいる作品には細心の注意を払って行いましょう。折角高額で手に入れた西洋美術も、保存状態があまりに悪すぎると思わしくない買取結果が出てしまいます。思わぬ破損を招かぬよう、作品を優しく丁寧に取り扱ってください。
高価買取のポイント③書類を準備する
買取価格を1円でも上げてもらうためにできる工夫があります。それが「書類の準備」です。
西洋美術含め、骨董品買取業界ではこの準備があるかないかで査定額が大きく変動することが往々にしてあります。では高価買取に必要な書類とは一体どのようなものでしょうか?
鑑定書
古い時代の作品ほどその真贋の判定が難しくなります。そこで本物の作品であることを証明する「鑑定書」があれば、作品のもつ信用性が増し、鑑定額が上乗せされます。鑑定書は作品の品質の良し悪しを証明する書類で、これがあれば作品がどれだけ貴重なものかを買取業者に示すことができます。鑑定書は、鑑定士に鑑定を依頼すれば手に入れることができます。
ただし、中には鑑定実績が未熟であったり、鑑定士の資格を保有せずに行う業者もあるため、公式鑑定人による証明書が発行されるかどうかを事前に確認しておきましょう。
保証書
絵画などを購入された場合、保護された状態で箱に保管され、保証書が同封されていることがあります。保証書には「購入日」「技法」「作家名」「タイトル」など、言わば作品の「個人情報」が書かれており、作品の真贋を見極めるのに非常に役立ちます。
これらは一見高額査定とは関係なさそうですが、あるかないかで実際の査定額がかなり変わるので侮れません。品質を客観的に保証するものは、この2つの書類が主となります。こうした「付属品」は売却を検討されている作品となるべく同じ場所に厳重に保管しておきましょう。
買取の注意点
買取される際は以下のことにも注意しましょう。
なるべく早く売る
どれだけ保存状態に気を配っていても、古い作品ほど劣化は進行していきます。もちろん保存状態が悪ければ劣化はさらに進みますので、なるべく早く買取に出す必要があります。売ろうと判断されたらすぐに鑑定や買取の手続きに踏み切るのが無難です。
スタッフの受け答えが丁寧な業者を選ぶ
西洋美術の買取には専門知識が必要であり、一般の方と業者とでは知識の差がどうしても出てきてしまいます。したがって、分からないことを気軽に質問できる業者を選ぶことが大前提です。年中無休で対応していたり、ホームページで探すならば鑑定士と直接メールや電話でやり取りできるサイトは安心できます。
その上で、質問に対して具体的で明確な回答ができる買取業者であれば信用できます。ここでもしスタッフの受け答えが曖昧では不安が残ってしまいます。中には少し横柄な態度で対応されるケースもあり、不当な買取が行われる可能性もあります。
そのような場合は遠慮せずキャンセルし、信頼できる業者に査定を依頼しましょう。
まとめ
西洋美術は様々な条件が重なり始めて高価買取が実現します。鑑定士や業者との相性もありますが、やはり大切なのは持ち主様ご自身がどこまで大切に保管できるかです。必ず高価買取が実現するという保証はありませんが、するべき準備は全て済ませるに越したことはありません。初めてされる方も、以前失敗された方も、今回ご紹介した3つのポイントをしっかり押さえ、ぜひ納得のいく買取を実現しましょう。