骨董品を売るならまず品種を確認!品種ごとの最適な売却方法を紹介
骨董品を売却する方法は専門家へ依頼する以外にもいくつか選択肢があります。ご自身が売却しようとしている品種に合わせ、適した方法を選ぶようにしましょう。
高額取引される骨董品の品種
「骨董品」という言葉は価値ある古美術・古道具を指す言葉であり、そのなかでさらに細かく「絵画」「陶器類」「彫刻」などにカテゴリーを分類できます。
これらの骨董品には希少価値があるため、どの品種であっても高額で売買されやすいですが、売却価格はその品自体の希少性や時流などを加味した価値によって決まるうえ、売却する方法によっても買取価格は大きく上下します。
骨董品の売却方法
骨董品を売却する際、売却方法によって買取価格が上下することは先述した通りですが、その理由には「専門性」「在籍している鑑定士の経験」「資金力」が挙げられます。順番に解説します。
専門性
「骨董品買取」を掲げて幅広い品種の骨董品を買取している業者であっても在籍している鑑定士の専門分野や、買い取った品の再販方法などの関係で、扱いが得意な品種とそうでない品種はある程度偏ってきます。鑑定は複数の箇所に依頼するのがセオリーですが、これはより高い買取価格を提示してくれる業者を探す目的だけではなく、その品種に深い造詣を持つ専門家に鑑定してもらって品物のルーツを知るための狙いもあります。そのため、売却したい品の専門家がいる、豊富な鑑定実績があるなど、専門性で選ぶことも重要になってきます。
鑑定士の経験
鑑定士の仕事は骨董品を注意深く見て真贋を見極めること、正確な鑑定のために作成当時の時流から現在のトレンドまで幅広い範囲で骨董品に対する知識を蓄えておくことが挙げられ、そしてこれらの条件を満たすには多くの品や資料に触れてきた経験がものを言います。経験がまだまだ発展途上の場合には秘められた価値に気付かず安価で買い取ってしまう、贋作を高値で買い取って市場に流してしまうなど、様々な懸念があります。
資金力
骨董品は品物によっては数百万~数千万円もの価格で取引されることもあります。品物を適正価格で買い取ることができる=それだけの金額をすぐに用意できる資金力がある業者ですが、そうでない場合にはわざと査定額を落としたり、後払いの契約を結んだうえで連絡が取れなくなるような悪質な業者も少ないながら存在しています。そうした業者に依頼して損をしないため、何より大切な骨董品を適正価格で買い取ってもらうためにも資金力は業者を選ぶうえで重要な要素です。
これらを踏まえたうえで、骨董品を売却する方法をメジャーな「専門店」「ネット」「骨董市出品」の3つに絞り、売却したい品種に合わせて方法を選びます。
専門店
いわゆる骨董品買取業者を指します。専門店のため専属の鑑定士に鑑定を依頼できる、店舗への持ち込みだけではなく出張買取や写真での査定などシチュエーション・品種に合わせて売却方法を設定してくれるなどのメリットがあります。
ネット
オークション・フリマアプリなどを指します。全国へリアルタイムで出品、買い手を探せるうえ、売主・買主間で行うやり取りのほとんどがシステム化されているため、出品→売れる→梱包して発送のプロセスを踏むだけで骨董品売却が行えます。
骨董品市出品
骨董品市とは、いわば骨董品専門のフリーマーケットです。骨董品に関心のある目利きが集まるため、売却も行いやすいです。
これらが主な売却方法と、それらに求められる要素です。
最適な売却方法は売りたい骨董品の種類で選ぶ
「品種ごとに適切な売却方法がある」と言われてもピンとこないかもしれませんが、大切な骨董品をより高額で、より安全に売却するために売却方法を選ぶ必要がある、と考えればどうでしょうか。
「絵画」「陶器類」「彫刻」を例に適切な販売方法を見てみましょう。
絵画
絵画は種類によってはサイズが大きく持ち運びが大変なこともあるため、専門店への持ち込みや骨董市出品のような持ち込みが必要な場合や、送料が高額になるネットは不向きといえます。専門店からの出張査定や写真鑑定など、極力動かさずに査定・買取ができる方法を選ぶのが理想です。
陶器類
小型のものも多い品種のため、ネット・専門店・骨董市出品のどの方法でも安心して利用できるはずです。中でも、梱包さえ丁寧に行えば安価で大量に発送できるネットでの売却がおすすめです。その際には万が一にも欠けや破損などで品物にダメージを与えないように厳重な梱包は欠かさず、過剰に詰め込みすぎないなどの工夫が必須です。
彫刻
精巧に掘られた彫刻に傷やスレを作らないためにも、ネットなど郵送を行う際には梱包をきちんと行う必要がありますが、量が多い、サイズが大きい、細かい装飾が折れないか心配という場合には専門店への店舗持ち込み・出張買取依頼を依頼するのがおすすめです。
売却方法ごとのメリット
続いて、専門店・ネット・骨董品市の3点を利用するメリットを見てみましょう。
専門店
専門店の名の通り、骨董品を専門に売買している店舗のため、過去の事例や在籍している専門家・鑑定士の知識を基に鑑定・査定してくれます。出張買取などのサービスを利用すれば、大量に査定希望の品がある場合でも破損・搬出手段などを考慮せずに安心して売却できます。
ネット
近年急速に普及したフリマアプリやオークションサイトを利用する場合の最大のメリットは「手軽さ」です。フリマアプリであれば売りたい値段を設定して出品、オークションサイトなら開始価格と終了時刻を設定して出品すれば、後は売れるのを待つだけです。
骨董市出品
「珍しい骨董品を見たい・良いものがあれば買いたい」くらいのフリーマーケット感覚で立ち寄れるものから「出品物も希少なものばかりで値段も高い、専門家・収集家の買い付けの場」のような一般の方には立ち入りにくいものまで、出品したい品やご自身の売却目的に合わせて参加する場所を選ぶことができるメリットがあります。
売却方法ごとのデメリット
売却方法を決める際にはメリットだけではなく、デメリットにも目を向けたうえで決める必要があります。
専門店
査定希望の品の価値や相場を理解していないと安価で買い叩かれてしまう可能性や、訪問買取を依頼した際に「この値段で買取を承諾してくれるまで帰らない」と居直って無理やり契約を迫るような悪質な業者も少ないながら存在しています。そのため、依頼する業者はネットでの口コミや実績を基に慎重に選ぶのがおすすめです。
ネット
あくまで個人間でのやり取りになるため、運営会社に対応をお願いする前にトラブルはある程度自分で対応する必要があります。骨董品は高額かつ希少な品種のため「出品した際の写真に写っていない箇所に傷があった」「贋作の疑いがあるので返品したい」など購入者側もチェックがかなり神経質になる傾向があります。万一の配送事故に備えて保険・荷物追跡を配送会社に依頼する、細かく品質を確認したうえで注意文を記載するというように、出品時点で想定されるリスクに対策を講じておくなど、気軽に売却するための準備は欠かせません。
骨董市出品
先述した通り骨董品市は業者の買い付け専門の場となっていることもあるため、そもそも出店資格を満たしていない場合も考えられます。出店資格とは「古物商許可証」を取得していることであったり、出品物の品種であったりと、参加しようとしている骨董品市によって異なるため、まずは近隣で開かれている骨董品市を探し、資格を満たしているかどうかを確認する必要があります。
まとめ
骨董品を売却する際には、まずお手持ちの品物がどの品種に分類されるのかを確認し、それに合わせて売却方法を決めるのがおすすめです。破損しやすい・サイズが大きい品種は出張買取ができる業者、大量に発送したい場合にはネット販売のように、ご自身の目的に合わせて考えるのもポイントです。